歯周病や、不適切なブラッシングによって露出した歯の根っこ(歯根)や、クサビ状に削れてしまった歯の根っこは、一見つるつるのように見えますが、電子顕微鏡で見ると、図のように小さな穴が無数に開いています。これは、象牙細管と呼ばれる細い管の入り口なのです。この穴のところに、冷たい水や熱いお湯、甘い物なんかがあたると、その刺激が管を通じて歯の神経に伝わり、痛みとして脳に認識されます。これが「しみる~」感覚なんです。
この目に見えない小さな穴をふさいでやれば、しみるのは改善しますし、穴が増えれば、悪化するわけです。
穴をふさぐ方法で一番確実なのは、唾液(つば)の中の成分を穴の入り口に落ち着かせることです。そのためには、表面の歯垢とちゃんと取ってあげて、表面が長時間唾液にさらされることが大切です。即効性のある方法としては、専用の薬剤を塗ったり、詰め物や、コーティングをする方法がありますが、時間とともに元に戻るといわれています。
悪化する原因は、歯垢の出す酸によって一層歯の表面が溶けたり、歯みがき粉で削れたり、酸味のある食べ物で歯の表面が一層溶けたりすることです。特に顕著に表れるのは、「みかん」という報告があります。
これらを簡単にまとめると、
1)きちんと歯磨きを行うこと(ブラシが当てられない程しみるときは病院でお薬をぬってもらうこと)
2)歯みがき粉は用いず、力まかせに磨かない。(知覚過敏用はみがきの場合は塗るような感じで)
3)みかんはだらだら食べをしないように。食べたら歯みがきや口ゆすぎを。
おわかりいただけましたか?しみるからといって、歯みがきが雑になったり、磨かないでいると、実はどんどん悪化する可能性があるんです。歯みがきのやり方でこういったことも大きく影響を受けるのです。